アラサー1ヶ月傷心旅行、フランスにて。

失恋をきっかけに、大好きなフランスを1ヶ月ひとり旅。春からは北アフリカ生活。

葛藤を経て

ずっと考えていたことがありました。

それは、このファームステイを継続するか、断念するか。


その理由は、田舎生活、ムッシュのマイペースさ云々じゃなくて、ここにムッシュと2人きりであること。

 

想定外だったことは別の日に書きましたが。
日本だろうがフランスだろうが、世界のどこに居たとしても、よく知らない男の人と2人きりになることを、私は選択しません。
自分の身を守る為。

 

誰かを疑うことはしたくないし、自意識過剰と言われようが、そんな状況を作りたくありません。
なので、ムッシュが今は1人であることを知っていたら、連絡を取らなかったと断言出来ます。
ましてやこんなバスも通らない、人口100人ちょいの村。
ハッキリ言って、怖かった。
このムッシュだから、とかじゃなくて、どんな男の人でも怖い。

 

家族でも、恋人でも友達でもない男性と何で2人で生活してるんだ?って不快かつ、自分にとって不可解な状況。
正直、初日にムッシュが哲学的あるいは少しスピリチュアルな質問を沢山してきたり、話してきたことにも抵抗があった。
だから、ムッシュと必要最低限以外は会話を取りたくなかった。
部屋に関して言えば、部屋数が14個もある小規模なシャトーと呼ばれる建物の中で、わたしは一階、ムッシュは二階。
プライバシーは保たれている。

 

そこで、フランス人の友達やホストマザーに今の状況と自分の気持ちを説明して、意見を求めてみた。

 

フランス人の友達(女性)
「私はそれは避けるし、そんな状況なら心配だよ。仮にムッシュが危険な人でなかったとしても、田舎のその状況で2人きりって精神衛生上、無理。
わけもなく怖がらせるわけじゃないけど、出て行く方がいいかも。」

 

フランス人の友達(男性)
「フランス人の感覚からすると、別に他人である男女でもルームシェアをすることもあるから、おかしなことではないと思うよ。
ただ、mipiが気持ち良く過ごせないなら、そこに居続けなきゃいけない事はないと思うよ。」

 

フランス人ホストマザー
「ウーフやってる人たちって、ヒッピー達に通ずる所がある印象。
彼らは基本的に良い人達が多いよ。
あなたに対する態度はちゃんとプライバシー尊重してる?
特におかしな言動が見られないなら、そんなに心配しなくて大丈夫だと思う。
あなたが居心地良くないなら、辞めるのもありだよ。」


この意見を求めた日には、気持ちが結構ピークに達していて、翌日の朝には此処を発つことをムッシュに告げようと決めて寝床に入った。

 

その翌朝。
バゲット(フランスパン)が無くなったから、パン屋まで買いに行こう!と車で10分強の小さい町(村じゃなくて、小さくても、町!高校もあった!)まで連れて行ってくれた。
ちょうどその前日に、お茶を待ってのくだりがあった後だから、ムッシュなりに気を遣ってくれていることを感じた。

 

その日の夜も。
ハッとした言葉を聞いた、ムッシュの友達夫婦のところへ連れて行ってくれた。
ムッシュとその人たちとのやり取りも見た。

 

やっぱり辞めます、出て行きますと言うタイミングを完全に失った1日。
ただ、完全に信用し過ぎる必要もないだろうけど、このムッシュは悪い人ではない、むしろ純粋な良い人なんだろうな…って気づきも出てきた。

 

危ない人では無さそうだと分かってきたなら、仲良く接っするようにすればいいものの、それでも2人で生活しなきゃいけないことへの抵抗感は消えなかった。
どうするか迷っている以上、尚更心を開きたくなかった。


それと同時に、ムッシュが私に気を遣ってくれていることが分かるからこそ、罪悪感も出てきた。
ムッシュはムッシュなりに私に気を遣おうとしてくれているのに、なんで私は心を閉ざしたままなんだろう。失礼だ。

 

それに、私は元来良くも悪くもかなり素直な人間なので、自分の感じたことすら口に出さない、本来の自分を出さないことにストレスも感じていた。
勝手な話だけど。

 

それから、友達に言われた一言。
「いずれにせよ、どちらも勇気が必要な選択が二つ。
1、出て行くことを打ち明ける
2、感情的な偏見を乗り越える」

 

出て行くことを打ち明けるのは、出て行くと完全に決めた時にすること。
感情的な偏見を乗り越えることを、まずやってみてから決めるべきだなって気持ちが出てきた。
ムッシュは良くしてくれているのに、こちらは交流しようとしないことはフェアじゃない。
それをやってもいないのに、ここを発ったら後悔しか残らない気がした。

 

自分の中で、よく知らない男性と2人きりになりたくないのは1つの価値観みたいなものでもある。
それはそれでいいけど、それを頑なに守って、目の前にいるムッシュと向き合わない自分を情けなく思った。


というわけで、今日もここで作業しています。
閉ざすことなく、普通に接するようにするだけで、とても気分が軽くなった。
やはり、勝手な話だけど。笑

 

まるっと1週間が過ぎた。
この後も、もしかしたら何かのきっかけ、タイミングでここを出たくなるかもしれない。
作業自体は好きだけど、田舎生活は向いてないなぁという事も感じている。笑
それでも、もう少しやってみようと前向きな気持ちが、今の私の中にある。

 

知らない男の人と2人で生活をシェアすることも、田舎生活も、きっと一生に一度の経験。

 

 

※勿論引き続き自身の身を守ることを第一としています。